今日は鉢植えのクロード・モネの冬剪定をご紹介します。
植えてある鉢は10号鉢(直径30cm)、4年目くらいの株です。
冬剪定のルール(考え方)は色々ありますが、ざっくり言うと「株の高さの半分~3分の1程度まで剪定する」です。
下の画像を見てください。太い赤線がおおよその剪定位置です。
「えー!?こんなに切っちゃうの?」「バラがかわいそう!」「せっかく大きくなったのにもったいない!!」、、、
なんて声が聞こえてきそうですが、大丈夫です!
バラは、特に冬剪定はしっかり切ってあげた方が、そのあと勢いの良い芽をたくさん出して、株が元気になります。
では、どの枝をどんなふうに切ったらよいか、順番に説明します。
株元にある、枯れ枝は元から、又は枯れている部分を剪定。
次に、昨年たくさんの花が開花した枝(↓の写真の中央の沢山枝分かれした枝)の選定方法です。
↓の画像で薄水色の太線を引いてあるのが一昨年(又はそれ以前)発生した比較的古い枝です。おそらく昨年の冬剪定後は薄水色の線の様な枝だったと思います。
今回は、太い赤線の1~7の位置で剪定をします。
たくさん枝があるので順番に説明すると、、、
1. 剪定位置(太い赤線)より先に良い花が咲きそうな枝もありますが、隣の枝と交差していて、後々風通しが悪くなるため剪定します。
2.と3. 昨年開花した枝を、3~5cmほどのところで剪定します。この時、切る位置を決めるのは「芽のついている向き」です。
なので、剪定する時には「元気に芽吹いて欲しい芽があるすぐ先」の位置で剪定します。
今は殆んど落葉してしまっていますが、もともと葉のついていた節には必ず「芽」がついています。しかし春になったらすべての芽が吹いてくるわけではなく、枝の先端についている芽が優先して芽吹いてきます。
で、「元気に芽吹いて欲しい芽」がどんな芽かというと、基本は「外芽のすぐ先で剪定」します。外芽とは株全体の中心から見て外側についている芽のことです。
そうすることで、株の内側の風通しが悪くなることを防いだり、株全体の形が整います。
4.と5. は、基本は2.3.と同じですが、こちらは「内芽で剪定」します。先ほど説明したように、基本は外芽ですが、元の枝が外側に向けて真横に出ていたり、外芽ばかりで切っていると株の中心に枝が無くなってしまいそうなときには内芽で切ることもあります。
7. 株元の細すぎる枝は元から切ります。春以降に上の方にある元気な枝が芽吹くと、日当たりも風通しも悪くなり良い花が咲かないので。
↓↓↓ 上記1~7の枝を剪定するとこんな感じなります。少しスッキリしました。
同じ考え方で、別の枝も順番に剪定していきます。
↓↓↓薄い水色の太線が一昨年の枝。そこから伸びた枝が昨年開花した枝です。
太い赤線の位置で剪定していきます。
↓↓左手前の枝を剪定後。次に、右奥の枝も同じ考え方で剪定します。
↓↓↓剪定後の姿です。
これでかなりスッキリしましたが、最後に赤い矢印の太い枝が気になります。
これは「ベイサルシュート」といって、昨年の春以降に株元から出てきた勢いの良い元気な枝です。このような枝が毎年出てくれば株が元気な証拠です!
大事な枝なので適切に剪定してあげますが、ありがちなのが「元気な太い枝を短く切るのはもったいないので、ちょっと長めに剪定、、」です。下の写真はそんな状態、、。
これが間違っているというわけではないのですが、、、
太いベイサルシュートからは、他の枝から芽吹く枝よりも勢いの良い枝が発生するため、↑の剪定だと開花位置に段差が出来てしまい、株のまとまりが悪くなります。
また、来年はこのベイサルシュートから発生してした枝で剪定するために、いまより少し高い位置で剪定することになります。
毎年同じ大きさの鉢で、同じくらいの株のサイズで開花させる場合、ベイサルシュートは他の2年目3年目以降の枝を剪定するより少し低い位置(太い赤線)で剪定してあげるのが良いのです。
という事で、↓↓↓剪定後の姿です。
ビフォー&アフターを比べてみると、どのくらい剪定したかよくわかりますね。
だいぶスッキリしました!
ちなみに、品種や栽培の仕方によっても適切な剪定位置が変わってきますので、
・鉢植えのバラは鉢のサイズに合わせて強めに剪定(株全体の3分の1程度まで)
・大輪の品種ほど強めに剪定(同)
・小~中輪房咲きの品種は株全体の半分程度
・オールドローズなど一季咲きのシュラブは更に弱めの剪定
・樹勢の弱い品種(ガブリエルやルシファーなど)は弱めの剪定」
と覚えておいてください。
今回クロード・モネは、鉢植えであることと樹勢もしっかりした品種なので強めの剪定をしました。
この後のブログで、この株の土替えの様子をご紹介しますので続けてごらんください。
また春には、この株が元気に咲いた姿を紹介したいと思います。
お楽しみに!!